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MICHIKO IKE

イケ ミチコ

Artist Statement

 私は生きることについて考えつづけて制作をしています。

永遠のテーマは自然の不変の本質、すなわち、生命、死と人間の愛についてです。

魂は表面的な美しさで満足し癒される場合もあるだろうが、極限の悲しみ 、苦しみに陥った時は、人間の底にある普遍的な存在を揺さぶることによって癒されるのではないだろうか?

 私は単純にエネルギーの大きいもの(ポテンシャルの高いもの)に惹かれる。

それは人間の根本的な本能であると感じる。

エネルギーの大きいものは、良かれ悪しかれ周囲に影響を及ぼす。

エネルギーを大きく与えれば物質のポテンシャルは高くなり、その内に秘める力は大きくなる。私は作品を見てくれた人々にエネルギーを与えたい。

ミレニアムにあたって閉塞感のただよう 1999 年のある日

 京都のアトリエでドローイング中に突然閃きがやって来ました。

人種、性別、宗教の違い、戦争、学歴、貧富の差・・・・あらゆる格差を世界中から解放して、地球人が地球人でありたいと願う。そんな人間のかたちがあらわれたのでした。そのかたちを「未来人間ホワイトマン」と名付けたのです。純粋で無垢な真白い人間です。ホワイトマンは悪にも善にも染まります。様々な色彩を身につけても、原点の心はピュアなホワイトでありたいと祈りつつ制作しています。1999 年に誕生した「未来人間ホワイトマン」達が、平等な地球人として世界中で羽ばたく事を願ってやみません。

 又、私が強く惹かれる素材、壊れたガラスや鏡片は日常から見捨てられた弱い立場にあります。

だが、ハイヒールの中でその存在を主張して輝き始めました。光を浴びてダイヤモンドよりも美しく!! ハードな困難を乗り越えて自分で考え、行動する個の自立を願っている様に!!

木工用ボンドで形作った抜け殻のオブジェは、風になびき自由に踊り、はかない姿をさらします。

 彼らと共に明日に羽ばたく生命体の魂を放出し、美に持ってゆきたいと思う。

未来人間ホワイトマンと共に「靴をはいて街に出よう!!」

 その姿は私であり、21世紀に生きる現代人の表裏ある姿かもしれない。

2016

現代美術家

イケミチコ

Michiko Ike Artist Statement

Thinking about living has been the motivation for my work.
My artistic theme is the change in the conservation of the essence of nature, death and human’s capacity to love in a modern society to love.

When human’s state of mind is in bliss the soul heals itself naturally but when in sadness and suffering the universal knowledge of one’s own existence may well be a good way of correcting the mind.
I am drawn towards things with a strong positive energy and with a lot of potential. I believe this is a fundamental human instinct. Anything with a strong energy will influence its surroundings however good or bad.

If you give a lot of energy to matter, its potential increases and any hidden power gets bigger as a result. I want people who see my work to feel this positive energy.

One day in 1999, sense of stagnation was drifting around before Millennium.

When I was drawing in Kyoto, I had a sadden inspiration.
Ethnicity, gender, religion, war, academia, class... People want to live without any of disparity or tragedy and be true member of the earth. The Future Human “Whiteman” represents this. “Whiteman” may come across as pure and innocent. He is also touched by good and evil. Even though he is composed of so many elements, he represents what is originally pure about human. I pray that a series of The Future Human “Whiteman” born in 1999 can thrive in the wider world.
Even glass shards, which are material that I’m strongly drawn to, are in a relatively weak position in our daily lives. However they can appeal its existence in high heels and starts to shine through because of it. This can be more beautiful than shining diamonds. It appears as though someone is acting of his or her own free will after overcoming personal hardship. The shell like object made of wood glue flaps in the wind and appears to dance with freedom. This releases a spirit with those people and it becomes beautiful.
Wear Shoes when Walking in Town!! and The Future Human “Whiteman” are myself, may be yourself, and they show us how we strive to live in the 21st Century.

Artist: Michiko Ike 

コンセプト 「神経の再生」

 iPS 細胞の創生により、細胞再生の研究が進んでいる。神経細胞をさえ再生できる肉 体再生の技術である。これと共に、世界中の人間が求めていることは、心や精神といっ た意味での「神経の再生」であると考える。どのように科学が進歩しようとも、人間の 心に潜む孤独感を消し去ることはできない。

 現代の高い技術が生み出した物質と現象―――ガラス、鏡、写真、映像、センサー、 ボンド、コンベア、音、光―――は大きなエネルギーを与えられると、内に秘める力が 増大し、高いポテンシャルを得る。

 今回は三箇所の展示空間において、人間の底にある普遍的な存在を揺さぶることによって、神経を再生するエネルギーを与えたい。
「神経の再生」 1
高さ、長さ、 度が異なる 3 基の電動ベルトコンベアが交差する「神経再生マシーン希 望号」。100 均 Box にコインを入れてワイングラスを受け取り、文字や絵によるメッセ ージを書いて、好みのコンベアで流す。グラスは宙から落下し孤独な音を響かせる。閉塞と混沌の社会において、既存の価値観から解放され新しく生まれ変わる、再生のシグ ナルのように聞こえるだろう。落下と衝撃のエネルギーを与えられたガラスの破片は魂 の集合になり、光輝く。100 均 Box に集まる現実的なコインの集合と、どちらに美を感じるだろうか?

「神経の再生」 2

ガラスや鏡が散らばるハードな「神経再生ベッド」。床や壁には、日本人の DNA に擦りこまれている古き良き時代のレトロな写真が見える。又、一方の壁には、ウェディングドレスに 100 本の生の薔薇の花が差さしこまれ、時と共に枯れて落下する姿が見える。 ガラスと鏡片のオブジェは、困難を乗り越えて、考えて行動する個の自立を願っている。 この空間で、ベッドに横たわり、古き歴史ある京都で、過去から現在、未来へと魂を解 放して、人生と言う時間軸を感じて欲しい精神を開放して自由に心を遊ばせてほしい。

「神経の再生」3

3000 体のホワイトマンが 4m65cm の高さからベンゼン環の鏡の box にぶら下がる、「未来人間ホワイトマン」

海のように流れ落ちてくる姿、世界へと羽ばたき登る未来ある姿に見えるだろう。

 

「未来人間ホワイトマン」とは、21 世紀初頭にイケミチコが生み出した、人種、性別、 学歴、宗教の違い、貧富の差、戦争、あらゆる格差や悲劇から世界の開放を願う人々の ピュアな姿。
地球人が地球人でありたいと願う姿なのである。

いま、世界に「神経再生」を発信したい。

2014

イケミチコ

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